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通常HTLV-1感染者(キャリア)にはまったく自覚症状がありません。したがって、自分から医療機関に検査を依頼しないと、HTLV-1が同居していることを知る機会がありません。または、献血された際、通知を希望された方は、平成11年10月より陽性者のみ医療機関受診を勧める通知書が届くようになりました。HTLV-1の抗体検査によって感染の有無を調べることが、第一段階となります。
HTLV-1関連疾患患者、キャリアに対しては、一般的な内科診察が行われます。出身地の確認も診断の有力な手がかりです。既往歴として、慢性肺疾患、皮疹、排尿困難、眼疾患などが重要となります。臨床検査項目として血液検査(白血球数、白血球分類)は必須で、この検査値が正常域で無症候性キャリアの場合の受診は、半年から1年ごと経過観察でよいでしょう。末梢血液像に異型性があれば、ATLについてさらに検査が必要となります。ATL細胞は花びらのような核の切れ込み(花細胞/フラワー細胞)を有しており、その程度は症例ごと、さらには同一症状内でも様々です。
病変部の病理検査では大・中・小のさまざまな大きさの腫瘍細胞が混在し、症例ごとに組織所見も異なりますが、重要なのはすべてT細胞悪性リンパ腫であり、よく観察すると、腫瘍細胞には核の形態異常が見られます。また腫瘍細胞の中に巨細胞が存在している例があり、Hodgkin病と類似した像を呈する場合も見られます。
キャリアの中で、何らかの症状が出現し、あるいは検診で異常が見つかった場合には、末梢血中あるいは、皮膚・リンパ節などの病変部のリンパ球からDNAを抽出してサザンブロット法で感染細胞のクローン性を調べます。胸水中・気管支肺胞洗浄液中・脳脊髄液中のATL細胞を解析することにより診断が確定することもあります。このモノクロナールな組み込み状態(感染細胞のモノクロナールな増殖)を確認すればATLと確定診断されます。
各症例についてウィルス遺伝子の組み込み部位はさまざまです。キャリアであっても末梢血リンパ球の感染細胞数は測定以下から数十%まで広い範囲に及んでいます。T細胞受容体(TCR)の再構成でもクローナリテイを証明できますが、この場合にはHTLV-1キャリアに発生したT細胞性リンパ腫との鑑別が必要となります。
病勢を反映するマーカーとして、LDH,可溶性インターロイキン-2レセプタ(sIL-2R)、β2-ミクログロブリンなどがあります。血清中のsIL-2Rが高値であれHTLV-1感染細胞数の測定を行います。
腫瘍細胞の染色体異常は一定しておらず、症例ごとに複雑な異常が見られます。