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同じウィルスにより発症する他の疾患

HAM (HTLV-1関連脊髄症:HTLV-1 associated Myelopathy)

1986年 HTLV-1キャリアに慢性の痙性脊髄麻痺を示す患者を見出しHTLV-1 Associated Myelopathy 「HTLV-1関連脊髄症」と名づけました。一般的に潜伏期間は長く発症者の多くは中年以降ですが、10代やそれ以前の発症と考えられる症例もあります。しかし感染血の輸血による発症は3年以内が殆どです。HTLV-1感染細胞をサザンブロット法で解析すると、ポリクローナルに増殖しているものが82%もあり、モノクローナルに増殖しているものは数%見られました。
男女比は1:2.3と女性が多く、男性に多いATLとは対照的です。臨床症状は緩やかな進行性の両下肢痙性不全麻痺で両下肢の筋力低下と痙性による歩行障害を示す。両上肢は筋力低下の自覚症状を欠いていますが、深部腱反射は亢進が多くみられます。
感覚障害は運動障害に対し軽度にとどまる例が多く、しびれ感、痛みなど自覚的なものが多く見られます。自律神経症状は高率に見られ、排尿困難、頻尿、便秘などの膀胱直腸障害は病初期よりみられ、主訴となることも多いです。進行例では下半身の発汗障害、起立性貧血、インポテンツなども見られ、これらの症状はいずれも脊髄の傷害を示唆するもので、HAMの中核症状となっています。
慢性炎症過程が脊髄、特に胸髄中、下部に強調されて起こっています。この場所は生理的に血流が停滞しやすい部位と重なります。
病理組織像は小血管周囲から脊髄実質に浸潤するT細胞主体の炎症細胞浸潤で、周囲の髄鞘、軸索の変性脱落が見られます。炎症が終息した部位では、強いグリオーシスと血管周囲の線維性肥厚が見られます。炎症は長期にわたり持続していますが、組織の破壊は徐々にしか進んでいません。HTLV-1プロウィルスは炎症細胞浸潤の程度に比例して病巣に存在し、血管周囲に浸潤しているTリンパ球にのみ局在しています。
すなわち、神経細胞やグリア細胞などの神経組織自体に感染しているのではなく、本来の宿主細胞のT細胞が感染源で、接着因子やメタプロティナーゼなどを介しての組織浸潤という形で脊髄に持ち込まれていると推定されます。
HAMは生命の面からすれば悪性疾患ではありませんが、難治性、慢性の長期療養を必要とします。

HAMについてはこちらのサイトもご覧ください。
→アトムの会

 

HU (HTLV-1関連ぶどう膜炎:HTLV-1 associated Uveitis)

1994年、ある種のぶどう膜炎にHTLV-1が関与していることが発見されました。HTLV-1 Associated Uveitis:HUは成人若年者に多く、既知のぶどう膜とは異なる臨床症状であり、突発性に生じる飛文症、霧視、軽度の視力低下等の症状を示し、女性にやや多みられます。副腎皮質ホルモン薬の内服は有効であり、一般的に予後は良好です。
しかし、約60%の症例で再発があります。特徴としてHU患者の既往歴としてGraves病(バセドー病)の頻度が高く、その発症要因に自己免疫機序が関与していると考えられます。しかし 詳しい発症メカニズムはわかっていません。

 

感染性皮膚炎 その他

ジャマイカ、中南米に見られますが、国内発症例は報告されていません。

その他に、関節症、肺障害、筋障害、シェーングレン症に関係しているのでは? と研究が続けられています。

 

 
 
 
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