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免疫細胞療法の効果

いのちを削る、化学療法剤や放射線。

抗がん剤に使われる化学療法剤は、もともと毒ガスの成分から作られました。
また、放射線は強いエネルギーを持っています。これらの力は、細胞内の染色体に含まれるDNAの2本鎖を切ることが出来ます。生命の設計図である遺伝子が大きく傷ついたとき、細胞は間違った遺伝情報が子孫に伝わらないよう、自爆(アポトーシス)するようプログラムされています。
「がん」は休む暇なく、繰り返し分裂するので、正常細胞より増殖が少し速いのです。それを利用して、化学療法剤や放射線の細胞を破壊する力を“治療”として使ってます。しかし、「がん」細胞だけ狙っているわけではありません。あくまで増殖の速い細胞です。正常細胞で増殖の速い毛根、消化管の粘膜細胞、骨髄(赤血球、白血球のもとになる細胞)も同時に“治療”されて、脱毛、吐き気、下痢、貧血、免疫力低下による感染症が起きます。これが有名な副作用です。つまり、「両刃の剣」なのです。
日本人は根がまじめなので、決められた治療をとことん突き進んでしまい勝ちです。
副作用の影響が大きく、治療効果が得られないときには、治療方針を大きく転換しなければなりません。
行き過ぎた治療はもはや治療でなく、かけがえのない「命」を削っているのです。

がん治療の本命は体内にある!!

前章でふれた、分子標的薬(抗体医薬品)の作用は、「がん」細胞が持っている増殖しようとする能力を抑えることです。 残念ながら、がん細胞を直接破壊する作用はありません。「がん細胞」を取り巻いて増殖を押さえ、「ここにがん細胞がいますよ!」と抗体の旗印をめがけて体内の免疫細胞(リンパ球)」がやってきます。がん細胞の増殖スピードが遅くなっているあいだに、リンパ球のうちのナチュラルキラー細胞ががん細胞を破壊します。
化学療法剤や放射線は、がん細胞も正常細胞も、ましてや分裂速度が速い免疫細胞(リンパ球)にも攻撃してしまうので、抗体医薬品と組み合わせても効果が発揮されません。

自然免疫が「がん」をおさえる。

体の中には自らの生命を守るための自然免疫が備わっているのですが、「がん」に罹ると「がん」が生き延びようとして自然免疫力をおさえます。体の中が「がん」状態のままでは、免疫細胞(リンパ球)が健康だった時のように活動的になれません。
そこで、免疫細胞(リンパ球)を体外に取り出して活性を高め、増えたがん細胞と戦えるよう数も増やして体内に戻してあげます。前述の抗体医薬品が「がん細胞」を取り巻いて増殖を押さえ、抗体の旗印に向かって免疫細胞(リンパ球)が結合し、「がん細胞」を効率よく破壊します。このことを ADCC活性(抗体依存性細胞傷害)と呼びます。
この細胞傷害活性は、免疫細胞(リンパ球)のうちナチュラルキラー細胞(NK細胞)に見られる現象でT細胞、NK-T細胞(まぎらわしいですがこの細胞はT細胞です)、B細胞、樹状細胞には見られないものです。
In Vitroの実験でがん細胞由来のセルラインに免疫細胞単独と抗体薬プラス免疫細胞でがん細胞傷害性を比較すると抗体薬を併用したほうが単位時間当たり2倍以上の力を発揮して、がん細胞を効率よく破壊しているとの報告もあります。

 
 
 
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